6月22日「一般質問」では3項目質問しました。
その中の「カーボンニュートラルに向けた取り組みについて」です。
質問と答弁を文字起こししたものです。
長久手市議会の公式記録ではありません。
公式な記録は、およそ3ヶ月後に本会議録として市議会ホームページにアップされます。
「ゼロ・カーボンシティ宣言」の表明へ準備中であることの確認のほか、市が平成13年から行っている太陽光パネルの設置補助で設置した設備が寿命を迎え始めることからの廃棄方法の確認、太陽光パネルの危険性への周知やトラブルを未然に防ぐためにも条例の設置を提案しました。
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Q1 なかじま和代
1 カーボンニュートラルに向けた取り組みについて
近年、世界各地で異常気象が発生し、また、国内でも豪雨が頻発しており、まさに私たちは今、新型コロナウイルス感染症と気候危機というつの危機に直面している。このような中、菅内閣総理大臣は、国会の所信表明において、「グリーン社会の実現」を政権の中心課題に位置づけて、日本は2050年までに脱炭素社会の実現を目指すことを宣言した。また、衆議院・参議院の本会議において、気候変動は非常事態の状況になり、脱炭素社会の実現を急ぐべき、という「気候非常事態宣言」が全会派一致で決議された。日本全体として、2050年までのカーボンニュートラルを実現するためには、徹底した省エネと最大限の再生可能エネルギーの導入が必要である。
⑴ 本市における省エネの取り組みと再生可能エネルギーの導入に対する取り組みをどのように進めていくか。
⑵ 長久手市市制施行10周年記念事業で「暑さで人の死ぬ時代〜いま、長久手が危ない〜」の講演を行った。積極的な温暖化対策を行うことが、経済社会の変革をもたらし、大きな成長に繋がるという発想の転換が必要である。環境省が「公的機関のための再エネ調達実践ガイド」を作成しているが、市としても、この機会にグリーンシティといった新しいまちの姿を示すべきではないか。
⑶ ゼロカーボンシティ宣言を表明しないか。
⑷ 本市は住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金により、太陽光パネルの設置について補助金がある。設置によるメリットとデメリット、経年による廃棄についてはどのように考えているか。
A1 くらし文化部長
1点目について、令和3年3月に策定した第4次環境基本画において「脱炭素のくらしと地域づくり」を基本方針のひとつとしています。本市は、県内の他の自治体と比較すると住宅が占める割合が多いため、温室効果ガスについても、家庭生活からの排出の割合が くなっています。このことから、市全体の排出 を削減するためには、家庭生活における二酸化炭素の排出を削減することが重要となり、市民全体で取り組む必要があります。住宅の省エネルギー化、再生可能エネルギー拡大のため、太陽光パネルやエネルギー管理システム、蓄電設備の設置費用の一部を補助してい ます。
また、カーボンニュートラル実現のためには、市民一人ひとりが地球温暖化を自分ごととして捉え、環境配慮活動を継続的に取り組んで行くこと重要となりますが、温室効果ガスの削減はその成果が見えないため、意欲的な取組を持続させるよう、成果や意義を見える化していきます。
2点目について、環境基本計画において、環境配慮型まちづくりの推進を重点施策としています。当市が今後、持続可能な都市として発展していけるよう、風の通り道を意識した建物配置や緑化の手法例等の開発事業の検討や整備の際に環境配慮の視点を事業に反映するための手法を事業 者に紹介しており、環境配慮を促進する仕組みづくりを検討しています。
3点目について、現在、ゼロカーボンに向けた市の取組を公表する準備を進めています。市の取組を公表することで、今後市民や企業に対する
ゼロカーボンに向けた気運を高めていけるよう、宣言を行っていく予定です。
4点目について、設置によるメリットは、電力会社が化石燃料を使用して発電する場合、大量の二酸化炭素を排出することになりますが、その一部を太陽光発電でまかなうことができるため、二酸化炭素排出の削減が期待できます。また、パワーコンディショナ―の自立運転機能を使うことにより、停電時にも電気の使用が可能で、災害時にも役立つこと、家庭用エネルギー管理システムを使用することにより、発電した電気の売り買いの状況が容易に把握できることから、省エネ行動につながることが挙げられます。
デメリットは、設置に伴う初期投資やメンテナンスの費用が必要になること、パネルの重さに耐え得る屋根の強度が必要となり、屋根の形状によっては雨漏りの原因になることがあげられます。廃棄については、他の家屋設備と同様、産業廃棄物として廃棄処理を行っています。将来的に多くの設備が廃棄されることになりますので、リサイクル等が図られていく必要があると考えています。
Q2 なかじま和代
(1)(2)の関連して、市民一人ひとりが環境配慮活動を継続的に取り組むことが重要ということだが、市の補助は再生可能エネルギーでは太陽光パネルの補助にとどまっている。風力発電、水力発電、バイオガス、地熱などその他の再生可能エネルギーの利用に紺所設置費用を補助する考えはないか。
A2くらし文化部次長
住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金は、住宅用の太陽光発電設備や家庭用エネルギー管理システム、蓄電システムなどを補助する制度です。太陽光は、発電設備として取り入れやすく、住宅用として広く普及しているため、現時点では補助設備として最適と考えています。他の発電設備については、本市の地理的状況を考慮した場合、まだ一般家庭の補助の対象にないと考えています。住宅用設備としての適合性や普及率などの状況を注視していきたいと思います。
Q3 なかじま和代
今、小型のものもだんだん出てきているので、注視してということだったので、ぜひいいタイミングで、また取り入れるような方向も考えていただきたいと思います。(←要望)公共施設における再生可能エネルギーの普及拡大に向けた実行プランはあるか。
A3 くらし文化部次長
市内の公共施設91施設のうち、太陽光発電設備を設置している施設は17施設、太陽熱利用設備を設置している施設は2施設、熱源より電力と熱を生産し供給するコージェネレーションシステムを導入している施設は1施設あります。現時点で実行プランはありませんが、太陽光発電設備の設置や再生可能エネルギー由来の電力の購入等、再生可能エネルギーの導入に向け、実現可能な方法を施設管理部署と検討していきたいと考えています。
Q4 なかじま和代
地産地消をすすめること、有機農法もすすめることもカーボンニュートラルの実現、生物多様性目標へ貢献できる。買い物による消費行動の変動が進むために情報発信できないか。
A4 くらし文化部次長
市HPで地産地消を推進する記事を掲載しています。地産地消のいいところとして、輸送にかかるエネルギーを節約でき、二酸化炭素排出削減に貢献できることを紹介しています。
Q5 なかじま和代
(3)の関連として、ゼロカーボンシティ宣言ということでは、宣言に向けて準備を進めているということで、ありがとうございます。
先日の総務くらし建設委員会の中でも、陳情を受けまして、委員会として、本市の該当関係機関に善処法を求めるということを決定しています。
委員会の際に、補助資料としていただいたものの最新版が今日の資料になります。
委員会のときには4月26日現在ということでしたが、今日の資料は6月14日時点のものです。
2050年の二酸化炭素排出実質ゼロ表明の自治体は、4月26日は381自治体だったものが408まで1か月少しの間27の自治体が新たに表明をしています。今後は総務くらし建設委員会からも働きかけがあると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。(←要望)
(4)の関連として、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、今後も太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの活用が進んでいくと思われます。長久手市は「住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金」の制度で「住宅用太陽光発電設備など」に補助を行っているが、この制度はどのような目的でいつから始まったものか。
A5 くらし文化部次長
この補助制度は、低炭素社会構築の一環として、エコ住宅・環境共生住宅を広く普及させ、住宅の省エネルギー化、再生可能なエネルギーの導入拡大、エネルギーの地産地消及び災害時に活用可能な設備導入の促進を支援することを目的に平成13年から開始した制度です。
Q6 なかじま和代
制度の利用状況について、予算の推移と交付件数と予算の消化率はどのようか。また、設備の最大出力はどの程度か。
A6 くらし文化部次長
制度を開始した平成13年度は予算額567万2,000円、決算額567万2,000円、消化率は100%でした。令和2年度は予算額215万円、決算額215万円、消化率100%でした。実施から20年経過し、予算額は減少していますが、消化率は平均して88%程度です。設備の最大出力については、1件あたり4kw程度です。
Q7 なかじま和代
平成13年度から始まっているということですが、太陽光発電設備などの寿命はどれくらいあると考えているか。
A7 くらし文化部次長
一般的に、太陽光パネルは20年から30年程度といわれています。また、太陽電池モジュールで創った直流の電気を、家庭で使用できる交流の電気に変換するパワーコンディショナーは10年から15年と言われています。
Q8 なかじま和代
近年、強風により太陽光パネルが吹き飛ばされたり、豪雨により本体内に雨水が侵入し基板上でトラッキング現象が生じ基盤が焼損したり、発電施設が崩落したりする事例を聞くが、2021年4月1日より、自然災害等で被害を受けた場合に小出力発電設備についても事故報告が義務化されたが市内に対象となる設備はあるか。そもそも太陽光設備の設置を市が正確に把握するすべがあるのか。
A8 くらし文化部次長
報告の対象となるのは10kw以上50kw未満の太陽電池発電設備と20kw未満の風力発電設備となりますが、電気事業法上、届出義務がないため、市では把握しておりません。
Q9 なかじま和代
市では把握していないということであったが、事故の報告はこの法律が変わったことにより「だれが」「どこに」「いつまでに」する必要があるのか。
A9 くらし文化部次長
事故の報告は、設備の所有者又は占有者が、事故を覚知した時から24時間以内に事故の概要を、30日以内に事故の詳細を、発電設備の設置場所を管轄する経済産業省の産業保安監督部に報告する義務があります。本市を管轄するのは中部近畿産業保安監督部電力安全課です。
Q10 なかじま和代
多くの家庭用太陽光発電設備は10kw未満なので事故報告の義務がないが、太陽光パネルは光があたると発電するので、触ると感電の危険がある。基本は素手で触らないことが大切である。そのうえで、パネル面をブルーシートなどで覆い遮蔽するか、パネル面を地面に向ける必要があるが、もしもに備え市民に向けた注意喚起すべきではないか。
A10 くらし文化部次長
太陽光パネルも設置から何十年とかかっているところもある。家屋や設備の老朽化に伴い、災害時の危険性が増していくと考えることから市HPやチラシなどで注意喚起していきたいと考えています。
参考:太陽光発電システムの水害時の感電の危険性について(太陽光発電協会)
Q11 なかじま和代
平成13年からもう20年もやっていただいている制度ですので、だんだん壊れていく寿命がもう来ている家庭も徐々にあり、今後、壊れていくものがふえていくと想像出来ます。今DIYとかもはやっているので、屋根を塗ってしまうとか、家で自分の手でできることは自分でやっていこうという方もふえているが、壊れた太陽光パネルなどは、どのように廃棄すべきなのか。市が回収するのか。
A12 くらし文化部次長
ごみ処理場で処理できないため、市では回収できません。有料で廃棄物処理業者に収集、運搬及び処分を依頼していただくことになります。
Q12 なかじま和代
長く続く補助の制度です。市が補助したものに限らず、自然再生エネルギーを介したトラブルを未然に防ぐために市への届け出などを定めた規制条例が全国146市町村で作っているが、本市にも太陽光発電所の建設を規制する条例を制定しないか。
A12 くらし文化部次長
太陽光発電設備を設置するに当たり、やはり再生可能エネルギーの活用を推進しつつということもございますが、その反面、自然環境や生活環境、景観等に影響がでるという課題も出てくるかと思います。近隣自治体では瀬戸市、大府市が太陽光発電設備の設置を規制する条例を制定しております。本市としましても、近隣自治体が条例を制定した背景を考慮し、研究していきたい。
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その他の質問は、別に紹介します。
「未成年の困窮世帯対策について(6月23日ブログ)」
「有機農業の推進と給食について(6月24日ブログ)」
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