食育講演会(本多京子先生)

6月25日(土)本多京子先生の食育講演会に参加しました。
NHKきょうの料理やはなまるマーケットで丁寧にお料理を仕上げていく様子を見ていたのですが、プロフィールに医学博士・管理栄養士とあったのでどんなお話をきけるのか楽しみにしていました。
ジェスチャーたっぷりのおもしろくわかりやすい講演でした。少しご紹介しますね。

食べる人と作る(食材を作る・食事を作る)人との間に距離がうまれ、『食育』が必要になったのだということ。国としても農林水産省文部科学省厚生労働省で積極的に取り組むようになり、今見えてきた問題点は、子どもだけでなく、その親、そしてその親(祖父母)にも食育が必要だというお話でした。

食事を作るという行為が、番組作りの際に日常から遠くなったと感じたエピソードををいくつか紹介してくださいました。

・スタッフに「シイタケもどしておいて」といったら、棚に戻してあった。
(→干しシイタケを水でもどして)
・調理器具の準備で「めんぼう」とお願いしたら、耳掃除の綿棒が置いてあった。
(→麺棒です)
・「アジの3枚おろし」の際におろし金が用意してあった。
(→魚類を、半身、背骨、もう片方の半身の3つに包丁で分けます)
  など

どれも知っている人はクスッと笑ってしまうような、微笑ましい話だと思うのですが、本多京子先生は調理用語が死語になるという危機感を感じたそうでうす。

先生は、畑に出て年間26種類の野菜を作っているそうです。食べるものをもとから作ることでの発見、加工すると新しい食材に変身することを知る発見もお話もされていました。なかでも、人参の種まきは間引きを繰り返して、無駄な時間が多いと思って、無駄がないよう1粒ずつ間隔をあけて種をまいたところ、ちっとも生えてこなかったのは、種同士が競い合って芽を出し、苗同士がまた競い合って伸びていることで、店に並ぶような一本のニンジンが出来るのではないかという不思議なお話もありました。

2050年に日本の人口比は逆三角形の形が予想されているそうです。昔話のお馴染みのフレーズ『あるところにおじいさんとおばあさんがいました』ではなく、2050年『あるところに赤ちゃんがいました』となるというのです。生活習慣病は、食が原因となる場合が多いので、PPKピンピンコロリの略語、病気に苦しむことなく、元気に長生きし、病まずにコロリと死のうという意味の標語)となるように、自分の食に責任を持ちましょうということでした。