「ジブリパーク開業と長久手市のまちづくり」〜ジブリパークを活かした長久手市のブランディング〜
講師:江口忍氏(名古屋学院大学現代社会学部)
ジブリパーク開業が地域(愛知県や長久手市)にもたらす
「3つの効果」
①経済効果
②関節的な観光振興効果
③エリアブランディングへの寄与 ← こちらを中心に!
開業により渋滞などの心配もありますが、開業に伴うプラス面に主眼を置いた講演でした。
①ジブリパーク開業の経済効果は、約480億円/年。
これは、中日ドラゴンズ日本一になった時の経済効果が200億円、その2倍くらいの経済効果・・・。
ディズニーは3000万人、USJは1500万人、モリコロパークは180万人。エリア全体としてはあまり大きな期待はできない。
②関節的な観光振興効果
「ついでに」需要。ディズニーランドは集めて外に出さない。U SJは行くついでに大阪観光。
「ジブリの世界観」というワードが「ついでに観光」「ついでに・・・」
③エリアブランディング
愛知県を他所から見ると「製造業のイメージ=無機質」油に塗れたトラックが走る感じ、味わいがない。愛知県が自然豊かで住みやすい&暮らしやすいとアピールしても無機質なイメージが邪魔をしてなかなか伝わらない。
🌱ジブリ(=🌱ジブリの世界観)がこれをひっくり返せるのではないか⁈
🌱ジブリの世界観を言語化できる人の知恵を借り、
ジブリとの親和性を重視する。
ジブリの世界観・・・自然体験、農業(チャレンジができる仕組みづくり)、コミュニティ、手間ひまかける(面倒臭い暮らし≒わずらわしいまち)←普通のベットタウンになっちゃうのではない道
戦略的人口誘導
自治体が市民を選ぶのはタブーかもしれないが、
「長久手にふさわしい市民」を増やすターゲット戦略ができるのではないか。
質疑応答の時間に3つ質問しました。
ジブリの世界観の中に「面倒臭い暮らし」という言葉があったが、
市長が言う「わずらわしいまち」に近いものを感じた。
どちらの言葉もネガティブなイメージだが、良い言葉はありませんか。
「目指すべきまちの形を(言語化するために)冠をつけると良い」というが
同じような世界観を持ち、良い言葉で成功している事例はありますか。
「わずらわしいまち」を目指せる稀有な自治体(褒めている)で、
他で成功している事例はない。
面倒臭い≒手間ひまかける。温かみ、ぬくもり・・・
成功事例として流山市がピンとこない。
長久手市の特徴からだと大学のある「つくば市」の方がしっくりきます。
流山市は戦略的人口誘導に成功している。
長久手市が同じ戦略をとると良いということではなく、
長久手市独自の戦略で人口誘導をしたら良い。
小学校・中学校の教育環境をジブリの世界観を持って差別化するという案に対しては、
小学校・中学校は教員が県職員であることからも長久手市があまり関われない気がする。
公立の保育園では裸足保育などジブリの世界観に合うような保育をしている。
そこをアピールしても良いのでしょうか。
岐阜市では前市長が「教育立市ぎふ」を掲げ、ほかの市町村に先駆けたICT教育の推進や、独自の英語・理数教育に重点的に取り組み続けていた。長久手市でもできるのではないか。
保育園をアピールするのも良いと思う。とにかく、「ジブリの世界観」を意識すれば全てのものに方向性ができるのではないか。
面白い勉強会でした。企画いただき、ありがとうございました。
ジブリ好きが持つ「ジブリの世界観」にパシッとハマる言葉が見つけたいなと悶々としています。
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